韓国政府、駐韓日本大使呼び抗議「時代錯誤的な言動遺憾」
【ソウル=内山清行】韓国外務省の金奎顕(キム・ギュヒョン)第1次官は25日、別所浩郎駐韓大使を同省に呼び、閣僚による靖国神社参拝など、歴史問題を巡る最近の日本政府の姿勢に抗議した。金第1次官は「日本政府や政界の人々のゆがんだ歴史認識や時代錯誤的な言動に強い遺憾の意を表明する」と語った。
韓国外務省によると、別所大使は「本国に正確に伝える」と応じた。
韓国政府は4月上旬、島根県の竹島(韓国名・独島)を巡る日本の外交青書の記述ぶりにも抗議している。この時は外務省局長が日本大使館の公使を呼んだ。今回は抗議のレベルを高めて、より強い姿勢を示した形だ。
金第1次官は麻生太郎副総理ら3閣僚の靖国神社参拝や、歴史問題を巡る安倍晋三首相の国会答弁などを念頭に「侵略や植民地支配の歴史について目をつぶり、耳をふさぐ日本の姿勢は理解できない。韓国政府としては極めて残念だと言わざるを得ない」と強調した。
日韓の歴史問題を巡っては、朴槿恵(パク・クネ)大統領も24日「正しい歴史認識が前提とならなければ、未来志向で進むのは難しい」と表明。メディアも連日、大きく取り上げている。韓国国会で非難決議を採択する動きが出るなど、対日批判の動きが広がっている。