バフェット氏「富裕層に増税を」 米紙に寄稿
【ニューヨーク=川上穣】米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が15日付の米ニューヨーク・タイムズ紙に寄稿し、年収が100万ドル(約7680万円)を超える富裕層に即座に増税すべきだと訴えた。「私の友人や私は億万長者に優しい議会に長い間、甘やかされてきた」と指摘。中低所得者層の生活が厳しくなるなか、米国の財政赤字削減へ「犠牲を分かち合うべきだ」と主張した。
バフェット氏は自身が昨年支払った総額693万ドルの連邦税の税率が17.4%だったと明らかにした。「私のオフィスに勤める20人の社員の平均(36%)よりも低い」とし、富裕層の優遇税制を是正すべきだとの持論を展開した。
バフェット氏はオバマ政権の有力支持者として知られる。オバマ大統領も同日の遊説先のミネソタ州でバフェット氏の寄稿文に言及し、将来的に富裕層向けの増税を目指す考えを強調した。
著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米バークシャー・ハザウェイの投資動向や解説、同氏に学ぶ投資術に関する記事をまとめました。
ウォーレン・バフェット氏(Warren Buffett) 1930年、米中西部ネブラスカ州のオマハに生まれる。6歳からガムを売り歩き、11歳で株式投資を始めた。「割安株投資の父」ベンジャミン・グレアム氏に感化されて投資家の道を志す。1965年に繊維会社だったバークシャー・ハザウェイの経営権を握り、同社を母体に投資や事業投資を展開して財を築いた。優良銘柄を本質的価値より低い価格で買う投資スタイルで知られ、「オマハの賢人」との異名を持つ。大富豪ながら質素な生活で知られ、コーラとハンバーガーを好む。