福島第1原発、余震で水素爆発の危険 米規制委が指摘
【ワシントン=共同】福島第1原発事故の対策をめぐって、米原子力規制委員会(NRC)が、原子炉が余震によって壊れたり、水素爆発が起きたりする危険性など、さまざまな問題点を指摘する内部文書をまとめていたことが分かった。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が5日、報じた。
同紙は、日本に派遣されたNRCの専門家らがまとめた3月26日付の内部文書を入手した。
NRCは原子炉を冷やすための水の注入について「水の重さが耐震性に及ぼす影響を考慮すべきだ」と警告していることが判明。同紙にコメントした専門家によると、地震やその後の水素爆発によるダメージを考慮せずに水で満たすと、重みで原子炉格納容器のストレスが高まり、余震によって容器が破損する危険性が高まるという。
また、NRCは原子炉内の水分が分解されてできる水素などによって水素爆発が再び起きる危険性も指摘。爆発を防ぐため、日本政府に窒素注入をアドバイスした。
原子炉内部にたまった塩や、燃料の溶融によって、同原発1号機は水の循環が著しく妨げられており、原子炉の中には水がなくなっている可能性もあるとした。