東芝の4~9月、純利益19%減 半導体メモリー伸び悩む
東芝が31日に発表した2011年4~9月期連結決算(米国会計基準)は純利益が前年同期比19%減の226億円となり、期初の会社予想(250億円)に届かなかった。円高で主力の半導体フラッシュメモリーが伸び悩んだ。東日本大震災で工場が被災したシステムLSIも足を引っ張った。
上期の決算について久保誠専務は「フラッシュメモリーで円高の影響が非常に大きかった」と話した。東芝は会社全体としてみると対ドルの為替変動の利益への影響はゼロとしているが、部門別にみると円高がマイナスになる部門とプラスになる部門がある。
半導体事業は国内で生産し主に輸出で稼ぐため円高がマイナスに働く。海外に生産を委託し輸入販売する液晶テレビやパソコンが円高でメリットを受けるが、同部門の売り上げは想定より低調。損益へのプラス効果が限られ、差し引きで円高が減益要因になった。
東日本大震災の影響も加わり、連結売上高は6%減の2兆9124億円。営業利益は23%減の802億円だった。デジタル家電、電子デバイス、社会インフラの主要3部門が減益だった。
もっともフラッシュメモリーは7月以降、新生産棟の稼働で盛り返すなど、損益が改善方向にある。
10月以降は引き続き円高が懸念材料となるものの、12年3月期通期業績予想(純利益は前期比2%増の1400億円)は据え置いた。フラッシュメモリーが一段と回復基調を強めるほか、電力など社会インフラ部門も期末にかけ収益は持ち直す見通しだ。