三菱自の営業益最高、円安で採算改善 4~6月
株式売却益なくなり純利益は18%減
三菱自動車が30日発表した2013年4~6月期の連結決算は、純利益が前年同期比18%減の164億円だった。円安による輸出採算の改善や為替差益の計上で、営業利益と経常利益は4~6月期として過去最高となったが、前年同期に計上した株式売却益がなくなったことで、純利益は前年実績を下回った。
売上高は2%減の4094億円だった。東南アジア諸国連合(ASEAN)で自動車の卸売台数が減少した。小売りベースでの世界販売台数は、中南米や中東・アフリカなどの販売が好調で4%増だった。営業利益は7%増の160億円、経常利益は57%増の223億円だった。円安が営業利益を104億円押し上げたほか、資材費などコスト削減が60億円の増益要因となった。
14年3月期の連結業績予想は従来見通しを据え置いた。年間配当も「ゼロ」としている従来予想を変えなかった。円安進行を背景に、通期の想定為替レート1ドル=96円に見直した。期初の想定は95円だった。対ユーロは1ユーロ=125円で変更しない。
通期の営業利益見通し1000億円に対して4~6月期の進捗率は16%にとどまる。会見した野田浩常務執行役員は「進捗状況は計画どおりだ」と強調。下期に「新型SUV(多目的スポーツ車)の『アウトランダー』や軽自動車がかなり売れるとみている」と説明した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕