4~6月期実質GDP、年率2.6%増 3期連続プラス
名実逆転が解消
内閣府が12日発表した2013年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.6%増、年率換算では2.6%増だった。プラスは3四半期連続。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」による円安・株高を背景に景気回復期待が高まり、個人消費が引き続きけん引した。一方、設備投資はプラスに転じることはできなかった。
QUICKが9日時点で集計した民間予測の中央値は前期比0.9%増、年率3.6%増だった。
生活実感に近い名目GDPは前期比0.7%増、年率では2.9%増だった。名目でも3四半期連続のプラスだった。その結果、名目成長率が実質を下回る「名実逆転」が解消した。逆転解消は2012年7~9月期以来3四半期ぶり。
実質GDPの内訳は内需が0.5%分押し上げ、外需は0.2%分のプラスだった。輸出は3.0%増。円安を追い風に米国向け自動車などが堅調だった。輸入は1.5%増。液化天然ガス(LNG)など高水準のエネルギー輸入が影響した。
項目別に見ると、個人消費が0.8%増と3四半期連続でプラス。円安、株高基調を受けて消費者心理が上向き、外食や旅行、衣料などへの支出が増えた。株式売買が活発で金融取引も増えた。
住宅投資は0.2%減。5四半期ぶりのマイナスに転じた。設備投資は0.1%減。減少は6四半期連続。個人消費の改善を受けて小売りなどは底入れしたが、製造業は慎重姿勢が続いた。公共投資は1.8%増。政府の12年度補正予算による緊急経済対策の効果が出てきた。民間在庫の寄与度は0.3%のマイナスだった。
総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期と比べてマイナス0.3%。15四半期連続で前年を下回った。季節調整して前期と比較するとプラス0.1%となった。輸入品目の動きを除いた国内需要デフレーターは前年同期比0.1%下落した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕