大企業製造業DI、2年ぶりプラス 日銀短観
日銀が1日発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業でプラス1となり、リーマンショック前の2008年6月調査以来、2年ぶりにプラスに転じた。前回3月調査からの改善幅は15ポイントで、改善は5四半期連続。今回の改善幅は前回の11ポイントをも上回った。日経QUICKニュース社(NQN)がまとめた市場予想平均(マイナス4)も上回った。
業況判断DIは、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値。調査期間は5月26日~6月30日まで。大企業製造業の2010年度の想定為替レートは1ドル=90円18銭と、前回の91円00銭からやや円高方向に修正された。
3カ月先は大企業製造業でプラス3と2ポイントの上昇を見込み、プラスを維持する見通し。
足元の大企業製造業DIを業種別でみると、繊維や生産用機械、自動車など全業種で軒並み改善した。
大企業非製造業のDIはマイナス5。5期連続で改善し、改善幅は9ポイントと前回の7ポイントを上回った。宿泊・飲食サービス、物品賃貸などが改善。対個人サービスは悪化した。3カ月先のDIは1ポイント改善のマイナス4を見込む。大企業製造業DIが非製造業DIを上回るのは07年12月以来。
中小企業は製造業のDIがマイナス18、非製造業はマイナス26で、いずれも4期連続で改善した。改善幅は製造業が12ポイント、非製造業が5ポイントだった。〔NQN〕