世界の難民・避難民760万人 12年、シリア内戦が影響
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は19日、2012年の1年間に新たに武力紛争などで国外に逃れた難民と国内で住居を追われた避難民の総数が推定760万人に上ったとの報告書を発表した。年間の数としては1999年以来最多を記録した。20日は国連が定める「世界難民の日」。
内戦が続くシリアからの難民と国内避難民が増加し続けていることが影響した。12年末時点での世界の難民・国内避難民の総数は4520万人で、94年以来最多。
UNHCRは、シリアからの難民は現在の約160万人から年末までに推定で345万人に達するとみている。
シリアの隣国レバノンは人口が400万人余りだが、現状でも約2割がシリア難民。年末にはシリア難民が100万人に上る可能性があり、UNHCRのグテレス高等弁務官は「国際社会がこの重荷を分担しなければならない」と訴えた。
12年末時点の世界の難民総数は1540万人で前年とほぼ同数。出身国別ではアフガニスタンが約259万人で最多で、約114万人のソマリア、約75万人のイラクが続く。その時点で約73万人だったシリア難民はその後急増している。受け入れ国別では、アフガンの隣国パキスタンが約164万人で最多だった。(ジュネーブ=共同)