東芝、半導体3工場を閉鎖 単機能の生産集約
東芝は30日、トランジスタやダイオードなど単機能半導体を製造する北九州工場(北九州市)など3工場を2012年9月末までに閉鎖すると発表した。円高の定着や世界景気の減速で主な用途であるデジタル民生機器向けの需要が急減。事業採算が悪化しているとして国内拠点6カ所を3カ所に集約し、携帯電話のデータ記憶などに使うNAND型フラッシュメモリーなど中核事業に経営資源を集中する。
北九州工場のほか、子会社の浜岡東芝エレクトロニクス(静岡県御前崎市)、東芝コンポーネンツ(千葉県茂原市)を閉鎖する。閉鎖する3拠点の従業員1200人は東芝グループ内で異動させる。
単機能半導体の開発や製造は12年10月以降、姫路半導体工場(兵庫県太子町)、加賀東芝エレクトロニクス(石川県能美市)、豊前東芝エレクトロニクス(福岡県豊前市)に集約する。
北九州と浜岡東芝で製造していた光半導体のうち車やパソコン用の発光ダイオード(LED)ランプは加賀東芝で生産を継続、センサーなど不採算分野からは撤退する。
東芝の半導体事業の11年4~9月期の売上高は5024億円。そのうち単機能半導体を手がけるディスクリート事業は前年同期比5.8%減の970億円、営業損益は小幅黒字だった。
単機能半導体は基礎的な素子で業界的に仕様がほとんど同じ製品が多く、差異化が難しい。東芝は電気信号を処理する小信号デバイス、電子機器の電源切り替えに使うフォトカプラ、センサーなどの製品群を持っているが、過剰な生産工場が収益を悪化させていた。
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