オマーン業者へ不適切支出か ルノー、ゴーン前会長について検察に通報
【パリ=白石透冴】仏自動車大手ルノーが前会長兼最高経営責任者(CEO)のカルロス・ゴーン被告の経営時にオマーンの販売代理店に数百万ユーロを不適切に支払っていた疑いがあるとして、仏検察当局に通報したことが分かった。ルノー予算からカネが支出され、同被告の関係者が管理するレバノンの企業に多くが回っていた。仏紙フィガロなどが報じた。
ルノーの社内調査で判明した。ルノーが検察に通報するのはベルサイユ宮殿での結婚披露宴を巡る便宜供与疑惑に続き2回目。
支払いは2011年ごろから始まったという。販売にインセンティブを与える目的としていたが、販売促進費からの支出ではなく、ルノーは手続きに問題があった可能性があるとみているもようだ。同社広報担当者は「コメントできない」としている。
日本の捜査関係者によると、ゴーン被告の知人が経営するオマーンの販売代理店を巡っては、09年以降にアラブ首長国連邦の日産自動車の子会社「中東日産会社」を通じて約35億円が支払われていたことが発覚。資金は当時日産のCEOだったゴーン被告が自分の裁量で支出先を決められた「CEO reserve」から捻出されていた。
日産自動車が選択を迫られている。
内田誠新社長のもと、業績をどう立て直すのか、筆頭株主である仏ルノーとの関係をどう再構築するのか。