カンボジア「フン・セン王朝」に近づく世襲の足音
アジア・エディター 高橋徹
5月のマレーシア総選挙に続く「番狂わせ」は起きようがなかった。
7月29日のカンボジア総選挙は、フン・セン首相の与党・カンボジア人民党がほぼ全議席を獲得したようだ。2013年の前回総選挙の議席占有率(55%)を大幅に上回った。最大野党のカンボジア救国党が不在のなか、当然の結果ではある。
選挙前の状況は、初の政権交代が起きたマレーシアと酷似していた。長期政権を担う与党に前回選挙で野党が肉薄。政府の...
経済が成長し目まぐるしく変化するアジアの国々。米国と中国の超大国同士の貿易摩擦が激しくなる中、その狭間に位置するアジアにも余波が及んできた。現地の政治・経済の今を切り取る。