「オヤカク」はやり過ぎ? 5割の親が否定的
学生側の売り手市場が続く採用環境を受け、内定後に学生の親からも入社承諾の確認をとる「オヤカク」が広がっている。主婦層に特化した人材サービスのビースタイル(東京・新宿)が7日発表した調査では、オヤカクの印象が「悪い」という回答が「良い」の2倍以上に達した。就職活動中の子どもに「アドバイスしたい」という答えは8割以上に達したが、オヤカクはやり過ぎと感じる人も少なくないようだ。
オヤカクは「親に確認」から生まれた言葉。内定者やその親に対して、学生が内定を承諾したことを親が賛成しているかを確認することを指す。内定辞退を防ぐために有効と考える企業が多いとされる。
ビースタイルが運営するサイトの登録者向けに「オヤカク」の印象について聞いたところ、「良い」「どちらかと言えば良い」という回答の合計は18.4%。前年調査を3.1ポイント下回った。「悪い」「どちらかと言えば悪い」の合計は6.4ポイント高い45.5%だった。
「就活中の子どもにアドバイスしたいか」と聞いたところ、「積極的にしたい」「求められたらしたい」の合計が81.7%だった。「一切しない」「よほど困っている時以外はしない」は17.1%にとどまった。
良い印象を持つ回答者からは「隠れブラック企業は子どもに判断できない」「子どもに働くことに責任を持つと認識してほしい」という意見があった。悪い印象を持つ人からは「成人した本人の決めたことに親の同意は必要ない。そこまでしないとつなぎ留めておけない印象」との声もあった。
ビースタイルの川上敬太郎・しゅふJOB総研所長は「子離れの時期ではあるが子育てに対する姿勢は人それぞれ。就活に向き合う親子の葛藤が垣間見える」と見方を示している。
調査は同社が運営するWebサービス上で3月14日から28日にかけて実施。712人から回答を得た。
一方、人材サービスのネオキャリア(東京・新宿)の調査では、オヤカクが必要と考える企業が58.4%だったのに対し、必要だと感じている親は32.2%だった。子どもが内定を得た場合でも「企業によっては辞退を促す」と回答した親が22%いた。
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