iPhone旧機種、意図的に減速 アップルに訴訟
【シリコンバレー=佐藤浩実】米アップルが集団訴訟(クラスアクション)に直面している。「iPhone」の基本ソフト(OS)の更新により、旧機種の動作速度を意図的に抑えていることを米メディアに認めたため。アップルは「(電池の劣化に伴う不具合の発生を抑えて)顧客に最高の経験を届けるため」と説明しているが、すべての消費者を納得させることはできていない。
報道を受け、イリノイ州の地裁では同州在住のアラ・アブドゥラ氏やランス・ラファエル氏などが訴訟を起こした。ラファエル氏は「『iPhone6』の動作が遅くなり不満に感じて『iPhone7プラス』を買うことになった」と訴状に記した。もしアップルが前もって説明していたら「『6』の電池を交換し、『7プラス』は買わなかった」という。
カリフォルニア州の地裁にはロサンゼルスに住むステファン・ボグダノヴィッチ氏らが提訴した。iPhone8以前の機種を持つ人たちを代表して、集団訴訟を起こしたとしている。
iPhoneの動作速度を巡っては、性能分析ソフトを手がける米社が機種やOSによる比較を18日に公開。ネット上などで議論が白熱し、アップルが状況を説明していた。バッテリーが劣化した旧機種での予期せぬシャットダウンを防ぐために、CPU(中央演算処理装置)の処理性能を抑えるようOSに修正を施していた。
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