東電委、新再建計画「改革提言取り入れている」
経済産業省は12日午後、東京電力ホールディングス(HD、9501)の経営改革などを議論する「東京電力改革・1F問題委員会(東電委)」を開いた。伊藤邦雄委員長(一橋大学大学院特任教授)は終了後に11日に東電HDがまとめた新しい再建計画について「東電委の改革提言を何%とは言わないが、どんどん取り入れて計画を作っている」という認識で一致したとの見方を示した。世耕弘成経済産業相は議論の結果も踏まえ、今後計画の認定是非を判断する方針だ。
委員からは、東電が示した原子力事業などでの再編方針に関し「ベンチャーと組んで最近の技術革新を取り込むような、実験的な形の再編もあっていいのではないか」との指摘があった。賠償・廃炉費用を拠出する一方で収益力向上に向けた未来志向の投資も行うべきだとの観点から、伊藤委員長は「東電のこれからの経営は非常に難しい段階に入るという空気が今日は流れてきた」と話した。
また、計画の実効性に関しある委員からは「内容のどれが欠けても貫徹しない、全体像が実現できないという点では非常に張り詰めた状態の計画だ」との指摘も出た。委員会では冒頭、オブザーバーとして参加した東電HDの広瀬直己社長が新再建計画について説明した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕