国連安保理、北朝鮮制裁決議を採択 ロシア・中国も賛成
【ニューヨーク=稲井創一】国連安全保障理事会は5日に会合を開き、北朝鮮への制裁強化の決議を全会一致で採択した。北朝鮮の主な外貨獲得手段で核・ミサイル開発の資金源でもある石炭、鉄・鉄鉱石、鉛、海産物の輸出を全面的に禁止する内容だ。当初、中国やロシアは制裁強化に慎重だったが、北朝鮮の制裁強化で安保理は足並みをそろえた格好だ。
国連安保理の会合は米東部時間5日の午後3時(日本時間午前4時)に始まり、冒頭の採決で安保理メンバー15カ国全会一致で決議が採択された。米ロ関係が冷え込む中、ロシアの動向に注目が集まったが、賛成に手を上げた。
米国が主導した今回の制裁案では主要品目の輸出全面禁止のほか、海外での北朝鮮労働者の新規受け入れや北朝鮮の企業体との新たな合弁・共同事業の禁止なども盛り込んだ。「北朝鮮の人・モノ・金の流れをより包括的に制限するインパクトのある内容」(日本の国連関係者)。
今回決議した制裁を実効性のあるものにするには、主要品の主な輸出先である中国がどれだけ協力するかが鍵を握りそう。制裁の「抜け穴」を防ぐためにも、制裁の実施度合いを調査・監督することなども国連安保理に課題として残りそうだ。