富士重、特別利益482億円 16年3月期業績を上方修正
富士重工業は24日、防衛省向け戦闘ヘリコプターの納入に関する裁判で勝訴が確定したのに伴い、2016年3月期に482億円の特別利益を計上すると発表した。同時に連結純利益の見通しを4140億円(前期比58%増)と従来予想の3720億円から上方修正した。
富士重は防衛省が戦闘ヘリの発注をキャンセルしたため、初期投資費用が回収できなくなったとして、国に賠償を求めていた。一審は富士重の訴えを退けたが、今年1月の東京高裁判決では一転して富士重の訴えが認められた。その後、最高裁が国の上告を受理しない決定を下したため、富士重の勝訴が確定した。
富士重は一審判決を受けて14年3月期決算で貸倒引当金を計上したが、これが戻ってくる。さらにこの間の金利が遅延損害金等(約186億円)として上乗せされ、合わせて482億円の特別利益が発生する。遅延損害金に税金がかかるため、純利益の修正額は420億円になる。