トヨタ、「つながるクルマ」でフォードと連携
トヨタ自動車はインターネットにつながる自動車「コネクテッドカー」に関連する技術で、米フォード・モーターと連携する。3日、フォードが提供するスマートフォン(スマホ)と車載情報端末を接続する仕組みの導入を検討すると発表した。米IT(情報技術)大手もこの分野に力を入れるなか、自動車メーカー自らが主体的に動くことで、存在感を高める狙いもありそうだ。
トヨタとフォードは2011年、自動車向け情報サービス(テレマティクス)で協力することで合意していた。今回の連携が具体策の第1弾となる。フォードはすでにスマホ連携技術「スマートデバイスリンク(SDL)」を実用化しており、トヨタも高級車ブランド「レクサス」などを含めて車載端末に導入する方向だ。
フォードは13年、コネクテッドカー関連の米リビオ(ミシガン州)を買収し、同社の技術をもとにSDLを開発した。車載端末やスマホのアプリ(応用ソフト)にこの技術を組み込むことで、カーナビゲーションシステムのパネルや音声でアプリを操作できる。受信したメールを読みあげてもらったり、音楽や地図などスマホで使い慣れたアプリを車内でも快適に活用したりといったことが可能になりそうだ。
スマホの生活への浸透が一段と進む一方、アプリを車内で使う技術は開発途上にあり、競争が盛んになっている。米IT大手ではスマホ向けの基本ソフト(OS)を握るグーグルとアップルが取り組みを強化している。グーグルは同社のOS「アンドロイド」を搭載したスマホを車内で使いやすくする「アンドロイド・オート」を開発し、日産自動車や独フォルクスワーゲンなどが陣営に加わっている。
アップルはスマホなどの音声操作技術「Siri(シリ)」を応用した「カープレー」を開発し、トヨタもアップル陣営に名を連ねている。「競争と協調」を重要戦略に掲げるトヨタは、フォードと連携して自前技術を磨くことにも力を入れていく方針だ。