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江藤淳の苛烈な生と死
編集委員 宮川匡司
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今年没後20年を迎える江藤淳は、夏目漱石論やその評伝で広く知られた文芸評論家だが、永井荷風への愛着も一通りではなかった。江藤の文業を振り返った新刊の文学案内「江藤淳」(河出書房新社)でも、荷風に触れた24年前の文章が掲載されているが、その論調には、悠々自適の晩年とはほど遠い苛烈さがある。
単行本未収録のこの批評文「批評文学の百年」の中で江藤は、荷風が亡くなった1959年に作家石川淳が書いた著名な...
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