最初のうちはマーカーで線や印が書き込まれているのに、途中からはきれいなんです。ひどいものになると、買ったきりでまったく読んだ形跡がないものもありました。単語集を買っただけで満足して覚えた気になるという典型的な駄目受験生ですね。
じゃあ自分がどうやって単語を覚えてきたのかなあと考えて、振り返ってみると、私の場合は、英文をたくさん読んで、分からない単語が出てきたら、研究社の「新英和中辞典」で引く、という作業を愚直に続けていた記憶があります。その証拠に、愛用していた辞書は手垢で真っ黒になっていました。今は、インターネットや電子辞書という便利なものがありますが、やはり自分の手で辞書をめくって覚える、という作業をした方が、記憶の定着にはより効果的なのではないのかな、と思います。
ただし、ある一定レベルになったら、英和辞典から英英辞典に移行した方がよいです。この点について、『AERA English』の連載でもおなじみの竹岡広信先生の言葉を著書から拝借します。
辞書に書いてあるのは、ほとんどの場合「単語本来の意味」ではなくて、「日本語に訳した場合に当てることができる訳語」です。このことがわかっていない受験生は相当多いと思います。意地悪な言い方をすると、「辞書を読んでも単語本来の持つ意味などわからない」ということです。もちろん、これは単語集についても当てはまります。
言われてみるとなるほど、ですよね。英単語に日本語の訳語を当てるのには限界があるので、「英語を英語として理解する」には英英辞典が役立ちます。ちなみに、私が愛用しているのは、「コウビルド英語辞典」(初版)です。ご存知の方も多いと思いますが、この辞書は、ロングマンやオックスフォードなどの英英辞典とは形式が全く異なります。
例えば、前回のTOEICで出題されたprominentという単語では、「Something that is prominent is very noticeable and important EG:There was one prominent advertisement among three pages of other ads.」と、単語の意味を説明するのではなく、どういう文脈で使われるのかが豊富な例文と合わせて紹介されています。この辞書の例文主義は、好き嫌いが分かれると思いますが、私には分かりやすく感じられるので、気になる単語はまずコウビルドで調べて、必要ならエキサイト辞書やdictionary.comでフォローしています。
TOEICの語彙に関して言えば、竹岡先生が東大の英語の語彙について書かれた以下の文章が当てはまると思います。
東京大学はセンター試験と同様、語彙自体は簡単なのですが、その「基礎的語彙をどれほどしっかり身につけているか」を尋ねているわけです。ある意味で厳しい問題だと言えます。
TOEICもまったく同じですね。竹岡先生は、こうした基礎的語彙の応用力を身につけるための英単語学習法として、「コロケーションで覚える」「語源で覚える」といったことを提唱され、単語集も出版されています。
なんだかとりとめのない内容なのに、更にそれに輪をかけてしまいますが、TOEICのスコアアップを目標にするのであれば、TOEIC対策の単語集は有効だと思います。試験に出そうな単語を集めているわけですから、当然勉強の効率が良いです。ただし、私の場合、時間を掛けて丸暗記するのではなく、あまり難しくない単語集を複数冊購入し、さっと例文と合わせて速読し、ローテーションで5周ぐらい回し読みしました。同じような単語がどの本にも出てくるので、何度も出くわすうちに、それが何となく頭の中でイメージとしてつかめるようになれば成功です。できるだけ、コロケーションや文章の中でその単語がどのように使われるのかを覚えたいところです。
何度見ても覚えられない単語や、試験で間違ってしまった単語を覚えたい場合は、Googleで検索するのがお勧めです。その場合、単純に単語で検索するのではなく、コロケーションで検索します。例えば、前回のTOEICで出た、「signs of improvement」で検索すると、例文がたくさんヒットします。その中から、自分で分かりやすいと思う例文(できれば信頼できる公式サイトのもの)を幾つかピックアップし、読んで、理解すれば、単語のニュアンスがぐんと覚えやすくなると思います。ある意味辞書より効率的かもしれません。
最後に、トーイッカーの皆さんにご安心頂きたいのですが、私はTOEICの問題を覚えて再現する記憶力を駆使して、膨大な量の英単語を暗記しているわけではなく、むしろ単語の暗記は苦手です。続いた試しがありません。TOEICの場合は、基本的な単語をいかにうまく使えるかが問われるので、そこを重視した語彙の勉強をすれば、難語を覚えなくてもスコアアップにつながると思います。
↓私が単語集を丸暗記するのが苦手と知ってほっとした方、クリック頂けると嬉しいです。
僕の中のTEX加藤さんのイメージは
すごい努力家で、単語集など端から端まで全部丸暗記するようなお方かな?
などと思っておりましたが、
実際は違うのですね!
親近感が沸きました。ワーイ、加藤さんと一緒だぁ、などと喜んでおります(笑)。
>英文をたくさん読んで、分からない単語が出てきたら、研究社の「新英和中辞典」で引く
この方法を読み、今の自分と同じだったので、(辞書は違いますが)
「この方法で間違いないんだ」と気持ちが高ぶっております。
僕はまだ初級者なので、ウーゴの例文が結構難しく感じます。
なのでウーゴの例文を読み、わからない単語を辞書で調べるやり方を実践しております。
これがなかなか楽しいもので、単語1つ1つを丸暗記するより、覚えが良い感じがします。
>あまり難しくない単語集を複数冊購入し、さっと例文と合わせて速読し、ローテーションで5周ぐらい回し読みしました
なるほど!参考になります。
いつかこの方法で単語を覚え、スコアアップに結び付けたいと思います。
有益な勉強方法をお教えいただき、ありがとうございます。
私も単語を丸暗記するのは苦手です(では何が得意かと言われると・・)。一方,受験生の頃は単語集をボロボロになるまで覚えこんでいた記憶もあります。1冊では足りずに2冊やっていた気も。あの頃は覚えられたんですね。
ただ,今は単語だけをひたすら覚えるという作業が出来なくなっています。面白くないんです。DUOのように例文で覚えたものは定着率が高いので,ソッチの方が自分に向いていると思うし,実践的だと思うんですよねー。
どういう場面で使う単語なのか。イメージというか,使う場面が自然と頭に浮かぶようになってくれば良いなと思いますが。
*勝間和代さんの本を本屋で発見しました!中村天風さんの本と共に冬休みに機会があれば読んでみたいです。
逆に、複数の単語集を併用して単語をイメージできるようにする、というのは自分の考えもつかなかった新たな方法でした。
現在、語彙力強化が最大の課題なのですが、引き続き対策を進めていきたいと思います。ありがとうございました!
関西出張お疲れ様です。
今回の記事のとおり、基本語彙を如何に運用できるかが
重要だと思います。
実際のTOEICの置き換えもそうですよね。以前出た
meet=accommodateなんて文脈みないとわかりませんからね。
それに海外いくと簡単な語彙の組み立てでどんどん会話が
進んでいきます。
こういうnativeの感覚やコロケーションをどんどん身につけたいなと
思いました。
Tommy
特にパート7のclosest in meaning to問題では、単語の棒暗記だと引っかかってしまう選択肢が盛り込まれているように思います。そこで日本語訳にまどわされず、文意に合った正しい答えを選ぶ感覚を身につけたいですね。
私もまだまだ修行中です。互いに頑張りましょう!
たった1000語くらいの中にも、同義語がいっぱいで「?」って感じです。
辞書に書かれていることが
「日本語に訳した場合に当てることができる訳語」ってのは
私も納得してるんですけど、
そもそも英英辞書読みためのボキャブラリーが不足してるようなので
今のところは丸暗記してます。
「ローテーションで5周ぐらい回し読み」というのは私も実践中です。
現在は、まだ1冊目の2週目ですがね。
(よろしければ私のブログを御覧ください。宣伝ですが・・・)
3周目以降は、コロケーションも意識して覚えていこうと思います。
それでは
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