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TOEIC本業界の現状
過去10年分のTOEIC本の出版点数をまとめてみました。数字は私の個人調べです。新装版やダイジェスト版、大学用教材は除き、市販の新刊や改訂版のみを数えてあります。
年間出版点数

2016年に試験形式の変更があり、翌年も多数のTOEIC本が出ました。各社新形式に合わせた改訂版を出したため、出版点数が必然的に増えたわけです。私が改訂版の金フレを出したもの2017年です。その出版ラッシュが2018年に落ち着き、2023年までは横ばいです。2020年に少し伸びたのは、コロナ禍の巣ごもり特需だと思われます。ところが、2024年の出版点数は15点で、前年の半分以下に急減しました。

Jリサーチやアルク、学研、スリーエーといった出版社が、昨年はTOEIC本の新刊を1冊も出していません。語学系以外の出版社の実績もゼロです。かつてはタイトルに「TOEIC」と付ければある程度の売り上げが見込めたので、多数の出版社が市場に参入していました。それが一斉に撤退した印象です。

出版点数が激減したのは、出しても売れないからです。TOEIC本市場が飽和状態の上、受験者数も右肩下がりなので、新刊を出しても一冊当たり数百万円かかる投資が回収できません。紙の書籍全体の市場規模も、2014年の7544億円が、2023年には6194億円と約2割減です。TOEIC本に限らず、本が売れない時代ですね。

2026年に形式変更の噂がありますが、2016年のような「新形式バブル」は起こらないのではと思います。仮に形式変更があっても、各社売れ筋のみを改訂し、形式変更の影響を受けない本は継続販売、それ以外の本は絶版になりそうです。

新年早々、暗い話になりましたが、明るい話題もあります。ヒロ前田さんと花田徹也さんがアルクから1000問全問動画解説付きのパート5の問題集を出すそうです。動画の収録が終わったとのことなので、これから紙の本の校正作業をすれば、TOEIC本が最も売れる春の商戦期に間に合うのではと思います。両巨頭渾身の一冊ですから、発売が今から楽しみですね。特急シリーズからも、金パケ・金読解と同じ判型の超特急シリーズが2冊、春の出版予定で進行中と聞いています。

電子書籍ではない紙の本での著者デビューを考えている方にとって、TOEIC本市場は厳しいと言わざるを得ません。KADOKAWAから2冊本を出したHaruさんのように、SNSで10万人以上のフォロワーがいて、TOEICで990点を取れば、出版の可能性はあるかもしれません。とはいえ、それは簡単なことではないので、出版社や著者とのつながりを作り、執筆協力からスタートするのが現実的だと思います。私もそうでしたが、執筆協力やコラムの連載といったチャンスをもらったら、そこに全力投球し、実績を積み重ねていくのが、著者デビューへの近道です。出版に興味のある方は、TTTへの参加を検討されるとよいかもしれません。参加したからといって必ずしも出版できるわけではありませんが。来月スタートなので、詳細はこちらをご覧ください。

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