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次回アップ予定:Scene-563 古利根川最終回『和戸橋側道橋~葛西橋』 (2020/04/18)
[Vol-10] 今回は古川橋から遡上して、河原橋、東武日光線古利根川橋梁、鎌倉橋、万願寺橋までの紹介です。南武線、武蔵野線経由で、東武線の東武動物公園駅で下車。東口から110m北上して古川橋からスタートします。
古川橋を左岸側に渡り、川沿いに400m程遡上すると右手に富士浅間神社が在ります。浅間信仰の神社ですね、創建は不詳です。松尾芭蕉も奥の細道の道中に通ったとされ、富士塚麓の丸石に「八九間(はっくけん)空で雨ふる柳哉(かな)」の句碑が刻まれています。枝振りの良い大柳の下では、空から雨が降るかのように雫が垂れている様を表現しているようです。祭神:木花之佐久夜毘売命(推定)、所在:北葛飾郡杉戸町杉戸4-10-23。
塚の両脇に厳島神社と金刀比羅宮が合祀されています。金刀比羅宮の狛犬は1882年(M15)の建立です。
富士浅間神社の裏手に天台宗寺院の用中寺が在ります。創建等は不詳です、所在:北葛飾郡杉戸町杉戸4-10-23。
川沿いに戻ると上流に『#31河原橋』が見えます。古利根川左岸の北葛飾郡杉戸町杉戸4丁目と右岸の南埼玉郡宮代町百間1丁目とを結び、一般道が通ります。かつて、河原の渡しが在った場所です。
名称:河原橋
構造種別:5径間RC桁
河口からの距離:22.1km
橋の長さ:約55m
有効幅員:約3m
竣工:1957年(S32)
河原橋から左岸沿いに290m進むと、右手に用水路で使われていた軸流ポンプが見えます。1988年(S63)まで此の付近の南側用水の引き込みに使用されていた縦軸ポンプで、遺構として残されています。南側用水路は、幸手市、北葛飾郡杉戸町を流れる農業用水路で、1660年(万治3)に利根川からの葛西用水路が作られた際の支流です。現在でも開削当時の面影を残す素掘りの区間が見られますが、杉戸町杉戸4丁目周辺は市街地となり、農業用水はパイプライン化され、南側用水路の一部が暗渠化され遊歩道になっています。近くに杉戸宿標が立っていますね、杉戸宿は日本橋から数えて千住・草加・越谷・粕壁に続く日光街道5番目の宿場でした。
此の先の東武線の左岸側からの画を撮ってから東350mに在る、真言宗智山派寺院の宝性院へ行きます。別名、杉戸不動尊と呼ばれています。創建は1562年(永禄3)、一色義直による開基と云われています。山号:杉戸山、寺号:不動寺、本尊:胎蔵界大日如来像、所在:北葛飾郡杉戸町杉戸1-5-6。埼玉新四国八十八ケ所霊場の77番札所、奥の細道関東三十三ケ所霊場の15番札所、「日光街道すぎと七福神巡り」の毘沙門天です。境内にピンク色の曼珠沙華に似た花が咲いていました。曼珠沙華は花と葉っぱが同時には見られないのに、此れは花と葉が同時ですね。帰宅してからググると、■ネリネ:ヒガンバナ科で南アフリカ原産、別名ダイヤモンドリリーと呼ばれ、曼珠沙華の開花から2箇月後に咲くそうです。
此処までは、東武動物公園の帰りに寄った内容です。では、東武動物公園駅から古川橋、河原橋を経由して『#32東武日光線古利根川橋梁』まで遡上します。左岸側の杉戸高野台駅と右岸側の東武東上線駅との間に位置しており、東武日光線が通ります。東武鉄道の豊富な車両、メトロやJRからの乗り入れ車両など、通過電車の様変わりが激しくて見ていて飽きませんね。
名称:東武日光線古利根川橋梁
構造種別:3径間鈑桁
河口からの距離:22.5km
橋の長さ:約66m
軌道:複線
完成:1928年(S3)
東武日光線古利根川橋梁は川沿いに潜れないので、河原橋まで戻って日光線1号踏切で800m程迂回します。
此処は南埼玉郡宮代町ですが、久喜地区消防組合のマンホール蓋が目に入りました。1997年(H9)に宮代町が隣町の久喜地区消防組合に加入しており、此の時に製作された様です。
東武日光線古利根川橋梁の右岸上流から西500m程に在る、身代(このしろ)神社に行きます。旧須賀村の鎮守で、鎌倉時代初期の1242年(仁治3)の勧請と伝えられています。1955年(S30)旧須賀村と旧百間村が合併して新町名を決めるに際して、百間村の鎮守の姫宮神社の「宮」と身代神社の「代」から宮代町と命名された由来を持つ神社です。神社西隣に在る池は、かつての利根川の流路とも云われ身代池と呼ばれています。祭神:武速素佐能男命、所在:南埼玉郡宮代町17。二之鳥居は1888年(M21)、狛犬は1940年(S15)の建立です。
身代神社から北西へ約1kmに在る、真言宗智山派寺院の真蔵院へ行きます。創建は不詳ながら、鎌倉時代末期の嘉暦年間(1326~1329年)の創建と伝えられています。仁王門には、江戸時代の作で、宮代町で唯一の仁王像が見られます。
山号:医王山、寺号:大福寺、本尊:不動明王、薬師如来、所在:南埼玉郡宮代町須賀1264。埼玉新四国八十八ケ所霊場の71番札所です。
真蔵院前から県道85号線を230m北上、伊勢崎線の踏切を渡ってからジグザグと500m程東へと進むと、『#33鎌倉橋』です。左岸の北葛飾郡杉戸町下高野と右岸の同じく北葛飾郡杉戸町下高野とを結ぶ、人道専用橋です。欄干がアーチ状の天井部材で繋がっていますが、ん~、何の目的なのか、翔んでいるね埼玉(笑)。
名称:鎌倉橋
構造種別:2径間鈑桁
河口からの距離:23.6km
橋の長さ:約60m
有効幅員:約2m
完成:1984年(S59)
鎌倉橋から350m程遡上すると万願寺橋ですが、東160mに下高野の熊野神社が在りますので、先に此方を紹介します。創建は不詳ながら、1690年(元禄3)に旧地名、下株の住民により社が再建されたとの記録があり、古社です。祭神:伊弉冉尊、速玉之男命、事解之男命、祭神:熊野権現、所在:北葛飾郡杉戸町下高野872。途中にグレーのロン毛ニャンコが居ました、かなり短足だね(笑)。
『#34万願寺橋』まで戻ります。今回終着地点の橋となる橋で、左岸の北葛飾郡杉戸町下高野と右岸の南埼玉郡宮代町須賀・和戸5丁目とを結び、一般道が通ります。
名称:万願寺橋
構造種別:3径間PC桁
河口からの距離:24km
橋の長さ:約60m
有効幅員:約11m
完成:1990年(H2)
>>>後書き<<<
次回は万願寺橋から継続遡上して、和戸橋側道橋、和戸橋、葛西橋までの紹介で、『ぶらっと遡上探索』古利根川編の最終回になります。
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Author:mark60
関東地区の河川に架かる橋を
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