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7月半ば、鎌倉の豊島屋の本店を訪れました次第。
さすれば、また新作が顔を出しているではありませんか。
それも現在放送中の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に因んだお菓子。
次々にいろんなお菓子が登場するので、まさに目が離せません。
ご挨拶をしました後に、本店をいつもチェックするわけですが、
そこで僕の目に入ってきましたのは、不思議な餅菓子。
そう、平べったい三色のお餅が三段重ねになっているの。
その名も『矢口餅』という名前がついているのです。
さて、どんなお餅なのか、凄く興味が湧きますよね。

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源頼朝が征夷大将軍となった翌年、富士の巻狩に出て、
そこで嫡男の二代将軍となる頼家が初めて鹿を射止めた時に、
その肉を山の神に捧げる狩猟神事があるのだそうです。
武家の男児が初めて獲物を射た時に、その射手たちを招き、
黒、赤、白の三色の餅を供えて、狩猟の成功を祝う儀式です。
その山の神を矢口神と言うそうで、そこから『矢口餅』と言うのです。
実際に、頼朝が供えた餅は、長さが20センチを超える大きなものだそうです。
まあ、さすがにその大きさでは食べきれませんので、
上生菓子より少し大きいサイズで、三段重ねになって登場しました。

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とても柔らかい求肥餅に、白あん、紅あん、小豆こしあんを包みまして、
まるで鏡餅のように重ねて仕上げられた、非常にシンプルなお餅です。
大河ドラマでも、ちょうどそんなシーンがありましたね。
まあ、ドラマの中では、狩猟が不得手な頼家が鹿を射たように見せかけて、
あれやこれやと御家人たちがご機嫌取りをするように、フォローしまくる姿は、
ある意味、とっても面白く、笑えるシーンでもございましたね。
さて、そんな『矢口餅』の横に、もうひとつ新しいお菓子がありまして、
それはまさに十三人の合議制に加わったメンバーの家紋がずらりと並んだ落雁。
その名も『かの13人』というわけですから、もうワクワクしますよね。

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北条家の三つ鱗の家紋は、既に別のお菓子で知っておりましたが、
よく考えると、他の鎌倉武士たちの家紋は、不勉強ながら知りませんでしたね。
意外と複雑な家紋が多いなあと思いつつ、大江広元の家紋に目を引かれる。
そう、これはあの毛利家と同じ家紋じゃないか!!
いやはや、全然知らなかったのですが、大江広元は毛利家の始祖だそうで、
ここから時代は流れに流れて、戦国時代まで繋がり、もちろん長州藩主として、
幕末へと続いていくわけで、あまりに壮大だなあと思いもするわけです。
また大河ドラマでは、市原隼人さんが演じている八田知家の家紋は、
まさに僕が愛してやまない洲濱型やないの〜ってテンションが上がったのも無理ない。

矢口餅  1個 税込240円
かの13人  13個入 税込1,080円

◆ 本 店/ 神奈川県鎌倉市小町2-11-19 TEL:0467-25-0810
◇ 販売店/ 鎌倉直営店のみ
 ※ 「矢口餅」は本店のみの販売となっております。