ノーベル賞・北川進氏「若手研究者の環境改善」 京大副学長として改革
2025年のノーベル化学賞の受賞が決まった北川進氏は22日、日本化学会が東京都内で開いた記者会見で、自身が副学長を務める京都大学で「若手研究者の環境を改善する」と語った。研究者の事務的な支援をする人材を手厚くするほか、これまであいまいだった研究者の評価基準を明確にする。

北川氏は日本の若手研究者をとりまく環境の悪化について、かねて声を上げてきた。24年から副学長を務める京大でも「若手研究者が事務作業に忙殺されて研究の時間が確保できなかったり、大学の評価基準が分からないという声が上がっていたりする」と分析した。そのうえで「中堅やベテラン人材も支援が必要なことに変わりはないが、若手のおかれた環境は特にひどい」と強調した。
解決策として京大は経費やデータ処理などの作業を代わりにこなす支援人材の採用を強化するとした。また研究者を評価する新しい制度を導入し、先進的な研究をしているか、異なる分野にまで波及するインパクトの大きい研究をしているか、など5つの評価軸を明確に定めた。基準に達している研究者は上のポストに引き上げるなどの措置をとるという。給与体系も改善する。
ノーベル賞受賞者として今後、科学界に提言したいことを問われ「全体で一致団結し、日本全体でも資金面などで若手とベテランの間で格差がない環境をつくらねばならない」と述べた。













