京都同友会代表幹事に石田氏内定「より良い京都づくりを」
京都経済同友会は20日、2025年4月に就任する新たな代表幹事に計量機器メーカー、イシダ(京都市)の石田隆英社長(54)を内定したと発表した。同日京都市で開かれた記者会見で石田氏は、大学や伝統産業事業者などと連携し「より良い京都づくりの一端を担いたい」と抱負を述べた。
代表幹事は2人体制で、任期は2期4年務めるのが慣例だ。石田氏は京都青果合同(京都市)社長の内田隆氏(62)の後任。2期目に入る京都信用金庫理事長の榊田隆之氏(64)とタッグを組む。石田氏を後任に推薦した理由について内田氏は「人あたりが良く仲間が多い。代表幹事として間違いない方だと早くから確信していた」と明かした。
石田氏は00年に同友会に入会した。11年度から幹事、23年度からスタートアップ振興を担当する副代表幹事を務めている。石田氏は会見で「長年同友会にお世話になっており何か役立ちたいと思っていた」と話した。代表幹事としては世界で事業展開する企業経営者としての知見や実行力が期待されている。
石田氏は明治大を卒業後、1997年に一族が経営するイシダに入社。10年から社長を務めている。イシダは1893年創業の非上場企業で、24年3月期の連結売上高は1592億円。
食品を計量・袋詰めする業務用機器で世界シェアの5割を握る。食品工場やスーパー向けに弁当・総菜の加工食品に印字したり、異物混入を検知したりする装置なども手がける。世界100カ国・地域以上で機器を販売し、海外売上高は全体の4割を占める。
代表幹事としての石田氏の最初の手腕が問われるのが25年4月開幕の国際博覧会(大阪・関西万博)だ。世界から注目を集めるタイミングで京都の企業をどうアピールするか。広く知られる文化面だけでなく、京都のものづくりの伝統や技術力を発信する好機となる。石田氏は京都のオーバーツーリズム対策にも関心を示した。
京都経済同友会は1948年設立で、京都商工会議所、京都経営者協会、京都工業会と並ぶ京都経済4団体のひとつだ。企業経営者らが個人で参加し、経済・経営にとどまらず、文化・教育、食など多様なテーマで政策提言するのが特徴だ。会員数は現在500人超。これまでの代表幹事には立石電機(現オムロン)社長だった立石孝雄氏や京セラ創業者の稲盛和夫氏も名を連ねている。
(角田康祐、足立佑太)