眞子さん結婚巡り「尊重し合える社会を」 天皇陛下62歳
天皇陛下は23日、62歳の誕生日を迎えられた。これに先立つ記者会見で、秋篠宮家の長女、小室眞子さんの結婚について「多くの方に心配をお掛けすることになったことを心苦しく思っています」と述べたうえで、一般論としつつ「尊重し合える寛容な社会を願う」と話された。
- 【関連記事】「脱炭素社会の実現を」 天皇陛下、誕生日会見全文
眞子さんの結婚を巡っては、夫、圭さんの母親の金銭トラブルに注目が集まり、週刊誌やネット上で批判が相次いだ結果、眞子さんは複雑性心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。
陛下は「幸せな人生を歩んでいってほしい」と眞子さんを祝福した上で「(婚約の儀式の)納采の儀などは秋篠宮家の判断で、(結婚関連儀式の)朝見の儀などについては私の判断で執り行わないこととなりました」と経緯を説明。「皇室に関する情報をきちんと伝えていくことも大事なこと」との考えを示された。
一般論と断ったうえで「他者に対して意見を表明する際には、時に、その人の心や立場を傷つけることもあるということを常に心にとどめておく必要がある」と指摘。「異なる考えを持つ人々にも配慮し、尊重し合える寛容な社会が築かれていくことを願っております」と述べられた。
皇室からの情報発信のあり方については、秋篠宮さまも昨年11月の誕生日記者会見で「深く人を傷付ける言葉は許容できるものではない」と述べ、反論する場合の基準づくりの必要性に言及。宮内庁が対応策を検討している。
感染拡大が続く新型コロナウイルス禍に関しては、昨年と同様に「痛みを分かち合い、支え合う努力を続けることにより、この厳しい現状を忍耐強く乗り越えていくことができる」などと述べ、感染対策を続ける国民の努力に対し「深く多といたします」と謝意を示された。
水問題をはじめライフワークとして関心を寄せる気候変動問題にも言及し「解決に向けては、国・企業・研究機関・一般の人々など幅広い関係者が手を携えて脱炭素社会の実現に取り組まなければなりません」と述べられた。
天皇陛下の記者会見の骨子
〈コロナ禍〉
・困難な状況が続いているが、乗り越えていけると信じている。
・オンラインは国民と交流するための有効な手段。感染収束後も状況に応じて活用する。
〈気候変動問題〉
・幅広い関係者が手を携え、脱炭素社会の実現に取り組まなければならない。
〈愛子さまの成人〉
・思いやりと感謝の気持ちを持ちながら、成年皇族として務めを果たしてほしい。
〈小室眞子さんの結婚〉
・「朝見の儀」は私の判断で執り行わないこととした。多くの方に心配をかけ、心苦しい。
・他者に対する意見の表明は、時にその人の心や立場を傷つけることもある。想像力を働かせ、尊重し合える寛容な社会が築かれていくことを願う。
〈皇位継承の歴史〉
・国民と苦楽を共にした歴代天皇の姿勢を心にとどめ、象徴としての務めを果たしていきたい。
〈沖縄返還50年〉
・沖縄がたどった道のりを見つめ直し、心を寄せていきたい。
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
この投稿は現在非表示に設定されています
(更新)