能登豪雨被災者向け仮設着工　完成年明け、用地不足課題

石川県は18日、記録的豪雨で大きな被害を受けた輪島市で、被災者向け仮設住宅の建設を始めた。2カ所で計116戸分を整備する。完成まで3カ月以上かかるとしており、入居は早くても年明けになる。輪島市と珠洲市からは少なくとも計390戸の建設要望があるが、用地不足から整備完了の見通しは立っていない。

県によると、建設を始めたのは輪島市杉平町の86戸と、同市門前町の門前東小グラウンドの30戸で、この日は除草作業などに取りかかった。建設場所が不足しているため、限られた土地で多くの戸数を用意する必要があり、一部を木造2階建てで建設する。

馳浩知事は18日の記者会見で「急ぎたいが、少なくとも3カ月かかる。その間、避難所や広域避難で安心して過ごせるようにする」と述べ、自宅を失った住民への生活支援を充実させる考えを示した。

一方、県によると、豪雨の影響で、地震被災者向け仮設住宅の工事も、一部で遅れが余儀なくされた。珠洲市大谷地区では、9月末に完成予定の仮設住宅団地が土砂災害の影響を受け、完成時期が未定となった。このほか、1週間〜1カ月程度の遅れが見込まれる団地もあるという。〔共同〕