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哺乳類は宇宙で繁殖も、マウス受精卵の成長確認 山梨大

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山梨大学や理化学研究所などの研究チームは、宇宙のほぼ重力のない環境でも、マウスの受精卵が着床前の「胚盤胞」と呼ばれる状態まで成長することを突き止めた。哺乳類が宇宙でも繁殖できる可能性を示した最初の研究成果という。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力で、凍結したごく初期の受精卵720個を2021年、国際宇宙ステーション(ISS)に運んだ。星出彰彦宇宙飛行士が解凍し、実験した。受精卵の半分は微小重力の環境で培養し、残りはISS内にある地上と同じ重力を発生する装置の中で培養した。

マウスの受精卵は0.1ミリ以下と小さく、これまで、実験には熟練した技術が必要だった。宇宙での実験にあたり、研究チームは慣れていない人でも受精卵の解凍や培養が容易にできる装置を開発した。

実験後に地球に戻った受精卵を確認すると、微小重力下では17個、地上と同じ重力下では19個が「胚盤胞」と呼ばれる状態に成長していた。受精卵は分裂を繰り返して成長し、胎児になる部分と胎盤になる部分の大きく2つに分かれて胚盤胞になる。

遺伝子などを詳しく分析し、重力の違いで品質に差がないことも確認した。胎児になる部分は通常、たくさんの細胞が1カ所に集まる。微小重力下では一部の胚盤胞で細胞が2カ所に分散しており、一卵性双生児が生まれる可能性が高まるという。

山梨大学の若山照彦教授は「重力がなくても胚盤胞になり、遺伝子発現も正常ということを明らかにできた」と強調する。今後は宇宙で培養した胚盤胞が着床し、実際に子どもが生まれるのか確かめる実験に取り組みたいとしている。成果は米科学誌電子版に掲載された。

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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