ポップイン、プロジェクター事業を中国企業に譲渡
東大発スタートアップのポップイン(東京・港)は15日、家庭用プロジェクター事業を中国企業のXGIMI(エクスジミー)に譲渡したと発表した。譲渡額は20億円前後とみられる。エクスジミーは家庭用プロジェクターを世界中で販売しており、国内で累計20万台以上売れたポップインの照明一体型プロジェクターの海外販売や開発力強化につなげる。
ポップインは2008年にオンラインの広告配信システムで創業し、18年に発売した照明一体型のプロジェクター「ポップインアラジン」がヒット。天井に取り付け可能で電源コードやスピーカーが不要なため、「アマゾンプライム」や「ネットフリックス」といった映像配信サービスや同社独自の作品を大画面で場所を取らずに楽しめる。業務用中心だった国内のプロジェクターで家庭用市場を開拓してきた。
エクスジミーは高性能や小型が売りの家庭用プロジェクターの製造・開発を手掛け、中国、欧州、米国や国内で販売している。2021年に上海証券取引所のハイテク新興企業向け市場「科創板」に上場。21年の売上高は40億3800万元(約800億円)で、「100以上の国・地域で400万人のユーザーがいる」としている。
ポップインはプロジェクターの発売以来、製造をエクスジミーに委託していた経緯がある。事業譲渡自体は6月に成立し、エクスジミーが国内向けの新会社も設立した。
エクスジミーは自社の技術力や販路を生かし、照明一体型プロジェクターの高性能化や海外販売拡大を狙う。11日には中国市場向けに天井設置可能なプロジェクターを発売すると発表した。
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