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「聞くだけ」で稼げる? 最新副業で投資の元手を増やす

新NISAで老後資金1億円(6)

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投資に回す収入や蓄えが乏しい人が、状況を打開する有効な手段が「副業」だ。近年は種類が幅広くなり、営業や「人脈の紹介」までもが副業として受注可能。特殊なスキルは不要な案件も多く、踏み出すなら今だ。最新動向を紹介する。

副業といっても、最初は何から手を付けたらよいか分からないかもしれない。そうした場合、手っ取り早いのが、企業や個人事業主がインターネット上で公募している「求人票」の中から、できそうな仕事を見つけて応募することだ。

これは一般的に「クラウドソーシング」といわれる形態で、大手のマッチングサイトである「クラウドワークス」や「ランサーズ」、あるいは個人のスキルを売買するプラットフォームである「ココナラ」などで、あらゆるジャンルの膨大な仕事が募集されている。

「デザインやプログラミングなど高度なスキルが必要なのでは」と思いがちだが、全くそんなことはない。例えば、ココナラでは企業のホームページから電話番号やメールアドレスを収集して営業リストを作成したり、問い合わせフォームに発注先の企業から支給された既定の営業メールを送信したりするなど、パソコンさえあれば誰でも手軽にできる案件が多い。

個人情報などを登録すればすぐに応募でき、仕事が完了後、発注者の設定料金からプラットフォーム側の手数料を差し引いた金額が振り込まれる。ココナラの場合、手数料は売り上げの22%だ。

ただし、そうした求人は発注者側が安く設定し、労働の割には実入りが少なくなる可能性もある。そこで、次のステップとして挑戦したいのが、自らのスキルを商品として出品し、企業などからの依頼を待つ副業スタイルだ。メリットは、自分で料金を自由に設定できること。最初は安めに設定し、実績と実力が付いてきたら単価を上げていく方法もある。

「話を聞くだけ」で稼げる

興味深いのは、「話を聞くだけ」というサービスもニーズが多く、副業として成立していることだ。ココナラやスキル売買プラットフォーム「タイムチケット」などで出品できる。ココナラであれば、1分100円などと料金を設定し、1時間聞き役になれば6000円の売り上げになる。聞き上手、コミュニケーション力がある人に向いている副業だ。

出品形式の場合、パソコン作業のようなインドアの副業だけでなく、外に出て仕事をこなすアウトドアのタイプもある。中でも稼げる副業として注目なのが「家具組み立て代行」だ。生活関連サービスのマッチングサイト「くらしのマーケット」で数多くの個人が出品している。イケアなどで購入した家具を文字通り本人に代わって組み立ててあげるサービスだ。

「多忙な共働き夫婦などの利用が非常に多い。初心者でも数件経験すれば慣れ、素早く組み立てられるようになる。DIY好きな人にも向く」と、副業専門スクールを運営するレベクリの小林昌裕代表取締役は話す。

その他、ペットの散歩代行や墓参り代行も利用者が多く人気だ。いずれも特殊なスキルは必要ない。特に墓参りは長い間行けずに気になっている人が多く、代行の需要が見込め、狙い目だ。

下に挙げているのは各種の副業仲介サイトで実際に募集されていた案件だ。得られる収入などの参考にしてほしい。

「営業代行」が急拡大

ビジネスパーソンが本業で培った経験やスキルを生かす副業が増えている点も、最近の傾向だ。パワーポイントを使った資料作成もその一つ。取引先への説明や自社の会議に使う資料作りが日課になっている人も多いだろう。その経験を活用し、依頼主からのメモやアイデアを基に資料にまとめる。

急速に需要が高まっているのが、Zoomなどを使ったオンライン営業の代行だ。「以前は営業職の副業はあまりなかった。それが新型コロナウイルス禍を経てリモートワークが定着し、自宅からオンラインで営業がしやすくなった。企業側も人手不足のため活用する傾向が高まっている」と、副業マッチングサイトの「複業クラウド」を運営するAnother worksの大林尚朝代表取締役は言う。

地方やスポーツ絡みの案件が豊富

商談のアポを取るテレアポ営業から、商談から契約まで行う営業と形態は様々。報酬は時給3000円だったり、あるいはアポ単価1万円+受注成果報酬だったり。成果次第で高単価の仕事も多い。変わり種はサッカーなどのスポーツチームのスポンサー獲得営業。成果報酬が数%〜10%くらいで、一つ契約が取れれば100万円程度の報酬も期待できる。

50代や引退後の60代のシニアにもチャンスがある。長年培った経験を求めている若いベンチャー企業は多く、営業顧問やアドバイザーといった形で採用になる場合も多いからだ。月10万〜20万円もらえる案件もある。

一方、地方企業向けに自身の本業のスキルを活用する手もある。サンカクが提供するマッチングサービス「ふるさと副業」では、新規事業開発、商品企画、マーケティング、販路開拓など、全国各地のメーカーやサービス会社が多種多様な職種を募集している。報酬の目安は月20〜30時間の稼働で5万〜10万円だ。

エントリーした応募者を企業側がオンライン面接で審査し採用の成否を判断する。案件に興味がある人が数人集まって企業の担当者と座談会を行い、内容を詰めた上で応募、面接を行う方法もある。後者では参加者の議論が盛り上がり、企業側が全員をチームとして雇うケースもあるという。

「地方企業は大都市で働くビジネスパーソンのスキルを求めている。『営業職だが少し商品開発に関わった』などの経験でも、採用に至る場合もある」とサンカク責任者の古賀敏幹さんは話す。

「人脈の紹介」が副業に

労力に対して非常に割が良い副業も登場している。「Sales hub」が仲介する、人を紹介するだけで平均5万円以上の協力金が得られる副業だ。

「従業員1000人以上の企業の社長・役員・取締役クラスの知人はいないか」など企業が求める依頼に対し、自分の人脈で対象者がいればアポの設定をするだけでよい。長年蓄積してきた人脈を生かして紹介して稼ぐシニア層も多く、引退後、投資の足しとなる収入を得る手段として有効だ。

(ライター 高橋学)

[日経マネー2024年1月号の記事を再構成]

日経マネー 2024年1月号 新NISAで誰でも手が届く 老後資金1億円
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP(2023/11/21)
価格 : 900円(税込み)
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