通貨が増えれば物価は上がる? 異次元緩和不発の必然
通貨流転㊥
「すこぶる戦慄の至り」。1877年に西郷隆盛率いる鹿児島士族が起こした西南戦争の直後、のちに千円札の肖像画にもなる伊藤博文は盟友の井上馨への手紙にこう書きつづった。次なる士族の反乱を心配したわけではない。当時の年間歳出の9割近くにも達した「征討費」が、発足まもない明治政府の財政と経済の重荷となることを恐れたためだ。
インフレが日銀を生み出す
その懸念の通り、金や銀と交換できない不換紙幣である政府...
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