移動平均とは 株価のトレンドを読む
キソから!投資アカデミー 株式⑯
過去の値動きから今後の相場動向を探るテクニカル分析で、代表的な手法の一つが移動平均です。
「25日移動平均」の場合、当日の株価を含めた過去25営業日の終値を足し、25で割って平均値を求めます。それぞれの時点の平均値をつないで折れ線グラフにしたものが移動平均線です。毎日動くので「移動」平均と呼ばれます。
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移動平均の計算期間は、短期の傾向を見たければ5日(1週間)や25日(1カ月)、中期なら13週(3カ月)や26週(約半年)が使われることが多くなっています。期間が長いほど移動平均線はなだらかになります。
テクニカル分析では、期間の異なる2本の移動平均線を組み合わせてトレンドの転換点を探る方法が知られています。上昇局面でみられるのが「ゴールデンクロス」で、短期の移動平均が長期の移動平均を下から上に抜けた状況を指します。その後に上昇を続ける傾向があることから「買いのシグナル」と判断されることがあります。
逆に株安局面で、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に突き抜けるポイントが「デッドクロス」です。弱気転換のサインとされます。
移動平均は過去の一定期間の平均売買コストを意味します。足元の株価が移動平均からどれだけ離れているかで、短期的な「買われすぎ」や「売られすぎ」を探る指標としても有効です。この離れ具合を「乖離(かいり)率」といいます。移動平均から上に離れて大きくなれば、日々の株価に過熱感が出ていることがわかり、近い将来に下落する可能性もあると考えられます。
「行きすぎ」について明確な線引きの基準はありませんが、25日移動平均でみる場合は一般に5%以上差が目安とされます。