ユーロとは 世界第2の基軸通貨、20カ国が採用
キソから!投資アカデミー 為替⑦
ユーロは1999年1月に誕生し、欧州連合(EU)27カ国のうち20カ国が採用している通貨です。複数の国にまたがって使える共通通貨の導入は、欧州統合の柱の一つに位置づけられています。EU創設を定めた93年発効のマーストリヒト条約に盛り込まれていました。
当初は金融・証券市場の取引だけで使われていました。その後、2002年から紙幣や硬貨が発行され、市中で使われるようになりました。直近では23年1月1日にクロアチアがユーロを導入しました。
市場での取引量や、中央銀行や政府が持つ外貨建ての資産「外貨準備」のシェアで米ドルに次ぐ世界2位で、「第2の基軸通貨」と呼ばれています。01年9月の米同時テロをきっかけに、ドルの急落リスクを避けようと、持つ人が増えた経緯もあります。国際通貨基金(IMF)によると、各国の外貨準備の通貨構成比で22年7〜9月期は約2割を占めました。
導入国は自らの金融政策を放棄し、ドイツのフランクフルトに本部を置く欧州中央銀行(ECB)に委ねます。金融政策を決めるECBの理事会は正副総裁や理事と加盟国の中銀トップで構成しています。
ただ、財政政策は各国が独自に手掛けており、国によって国債利回りや経済状況は異なります。そのため、ECBによる金融政策の難度は高いと言えるでしょう。