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銀行、定期預金の金利優遇競う冬 昨年の3〜4倍水準

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銀行が冬季の期間限定で定期預金の金利優遇を競い合っている。SBI新生銀行が5年物で年1.2%(税引き前)の金利を適用するなど、昨年の3〜4倍程度の高い利率を提示する銀行が多い。「金利ある世界」に戻ったことで預金獲得の重要性が増しており、冬の賞与(ボーナス)に照準を合わせて預金の積み上げを狙う。

インターネット専業銀行を中心に多くの銀行が2025年1月末〜3月ごろまで金利優遇のキャンペーンを実施している。マイナス金利下で各行は優遇幅を縮めてきたが、日銀が3月にマイナス金利政策を解除し、7月には追加利上げに踏み切ったことで、今冬は優遇幅の拡大に転じている。

SBI新生銀はネットで30万円以上預け入れた顧客向けに1年物で年0.8%、5年物で年1.2%を適用する。09年以来、15年ぶりの高水準だ。auじぶん銀行は1年物の金利を通常時より年0.45%上乗せし、年0.85%とする。新たに口座に預け入れた資金に対しては年0.15%相当の現金を付与して1%にする。

住信SBIネット銀行は1年物の金利を年0.4%としたうえで、アプリなどで事前に申し込んだ顧客には年0.4%相当の現金を追加で振り込む。イオン銀行は預入金額にかかわらず、1年物では店頭表示金利(年0.3%)に0.32%を上乗せし、年0.62%を適用する。ローソン銀行は6カ月物で年0.7%、1年物で年0.6%を適用する。

各行が高い金利を設定して多額の預金を集めようとするのは、利ざやの拡大によって収益を増やす余地が広がっているためだ。個人預金は住宅ローンなどを貸し出す際の主な原資となるほか、預金を投資信託などに振り替えてもらえば手数料収益の増加にもつながる。「優遇金利が他行に劣後した場合、預金の流出に直結しかねない」(ネット銀幹部)という事情もあり、各行は高い金利を競い合っている。

2%を超える物価上昇が続く中で、消費者も金利水準に敏感になっている。銀行間で金利の差が広がれば、主力の口座を移すといった動きも今後増えていきそうだ。

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