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社債スプレッドとは 国債との利回り格差が投資基準に

キソから!投資アカデミー 債券・金利⑰

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一般的に信用リスクが大きいとみられる社債は利回りが高くなります。高い利回りでないと投資家が買わないからです。一方、信用リスクが低い社債は、利息が少なくても投資家が購入するため、利回りは低くなります。投資家が信用リスクを判断する際には格付けを参考にしますが、これに投資家が独自の判断基準を加味して投資します。

流通市場での債券の利回りは、残存期間が同程度の国債の利回りと比較すると理解しやすいでしょう。デフォルト(債務不履行)の可能性が小さい先進国国債は信用リスクがゼロに近いと考えられており、スプレッド(国債との利回りの格差)が投資基準として使われます。このスプレッドの開きを信用リスクと言うことができます。

では、足元で社債と国債のスプレッドはどうなっているでしょうか。QUICKによると、格付投資情報センター(R&I)で格付けが「シングルA」の10年物社債のスプレッドは2023年春の時点で平均0.5%強です。格付けが1段階上の「ダブルA」は0.3%程度です。22年はじめから拡大が続き、23年に入り一旦は落ち着きましたがなお高止まりしています。

原因は日銀の金融政策を巡る不透明感にあります。利回りを決める際の基準となる10年物国債の利回りが日銀の金融政策で抑えられ、指標性への不信感が投資家に広がっています。「10年金利が恣意的に0.5%以下に抑えられるなか、一部の投資家はこの水準が正しいのか疑問を抱いている」(海外証券)との指摘もあります。これまでの利率では資金を集めにくくなっており、発行体はスプレッドの上乗せを迫られているようです。

特定銘柄のスプレッドの動きに注目して売買する投資家もいます。スプレッドが広がったときにリスクをとって購入し、後に縮小したときに売却すれば利益を得ることができます。また、専ら低格付けの高利回り債券を狙う投資家もいます。高利回り債は高リスクの裏返しであるため、許容できる範囲内で投資することが必要なのは言うまでもありません。

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