鉱工業生産指数、6月3.6%低下 2カ月ぶりマイナス

経済産業省が31日発表した6月の鉱工業生産指数(2020年=100、季節調整済み)速報値は100.6となり、前月比で3.6%低下した。一部のメーカーで認証不正問題が発覚した自動車工業や生産用機械工業が振るわず、2カ月ぶりのマイナスとなった。
QUICKがまとめた民間エコノミスト予測の中央値は前月比5.0%の下落だった。
経産省は基調判断を維持し、5月と同様に「一進一退ながら弱含み」とした。
全15業種で低下した。自動車工業が前月比で8.9%マイナスと落ち込みが最も大きかった。トヨタ自動車やマツダなどで6月に自動車の量産に必要な認証の「型式指定」の不正が明らかとなり、一部の工場で生産ラインを停止していたことが響いた。
半導体製造装置などの生産用機械工業は8.7%低下した。中国や台湾への出荷が減少した。汎用・業務用機械工業も8.3%落ち込んだ。コンベヤーで前月からの反動があったほか、一般用蒸気タービンの受注が減った。
主要企業の生産計画から算出する生産予測指数は7月に前月比で6.5%の上昇を見込む。企業の予測値は上振れしやすく、例年の傾向をふまえた経産省による補正値は4.0%のプラスとなった。8月は0.7%の上昇となる見通しだ。
経産省の担当者は「7月は一時的に生産が鈍化していた半導体製造装置が回復する見通しだ」と説明した。一方で「自動車の認証不正問題は影響が続く」とも語った。
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