家計貯蓄率、23年度は1.5% 物価上昇で3年連続低下
2023年度の家計の貯蓄率は1.5%と3年連続で低下した。可処分所得が増加した一方、物価上昇に伴い消費支出も増えた。貯蓄にまわったお金は4兆7千億円となり、3年連続で減少した。
家計貯蓄は家計が得た可処分所得のうち、消費支出に回らずに手元に残った額を示す。内閣府が公表している国民経済計算の年次推計によると、直近で貯蓄額が最も大きかったのは20年度の37兆6千億円だった。新型コロナウイルス禍で消費が抑制され、家計貯蓄率は11.8%だった。
ここ数年は経済活動の正常化に加え、物価上昇もあって貯蓄を取り崩して消費に回す傾向が続いている。23年度の家計の消費支出は314兆8千億円、可処分所得は320兆3千億円だった。
雇用者報酬は23年度に前年度比1.9%増と3年連続でプラスだった。国民所得に占める雇用者報酬の比率を示す労働分配率は69.1%と3年連続で低下した。