渡辺恒雄氏が死去、石破茂首相「まだ教えほしかった」
石破茂首相は19日、読売新聞グループ本社主筆の渡辺恒雄氏が同日死去したことについて「ご冥福をお祈り申し上げる」と語った。「党や民主主義のあり方、日本のこれからの平和国家としてのあり方について、まだまだ教えをいただきたかった」としのんだ。
首相官邸で記者団に答えた。首相は渡辺氏を「偉大なジャーナリストだった」と評した。国会議員になってから何度も話したといい「特に先の大戦やいろいろな日本の歴史観について教えていただくことが多かった」と振り返った。渡辺氏の自民党派閥に関する本を読んだとも明かした。
林芳正官房長官は同日の記者会見で「戦後政治の生き証人である渡辺さんの迫力ある著作に長く接してきた」と述べた。「何度か会う機会に恵まれ、政治に関する該博な知識、見識から多くのことを学ばせていただいた」と回想した。
与野党からも悼む声が寄せられた。
自民党の森山裕幹事長は多くの政策提言などを通じ「日本の発展に大きく寄与したことは間違いない」とコメントした。茂木敏充前幹事長は国会内で記者団に「戦後政治の生き証人を失った」と話した。
公明党の斉藤鉄夫代表は19日、党本部で記者団に「訃報に接し、悲しみと深い哀悼の意を表したい」と話した。渡辺氏について「新聞界だけでなくスポーツ、文化・芸術分野においても鋭い識見を持ち、世の中をリードしてきた方だ」と語った。
日本維新の会の前原誠司共同代表は記者会見で「現実の政治に対する見識、慧眼、そして見立ては本当に勉強になった。巨星落つというのはこのことかと思っている」と言及した。
国民民主党の玉木雄一郎代表=役職停止中=は自身のX(旧ツイッター)で「衆院選後の政治状況や党のあり方についてご意見を伺いたかったが、もはやかなわず残念だ」と投稿した。渡辺氏の部屋を訪れた際に国民民主のパンフレットが机の上に置いてあり驚いたと明かした。