高知でメタンハイドレート3次元調査を 推進団体が提言
高知県の土佐沖海域に埋蔵する次世代資源、メタンハイドレートの実用・商用化を進める民間団体は5日、国に対し土佐沖での3次元調査を求めるなどの提言を発表した。団体は2019年11月、3次元調査の候補地に応募。だが以降、国からの返事がないため同日、提言を公表し県内の世論を喚起することにした。
メタンハイドレートは、メタンガスが水分子と結びついてできた氷状の物質。火を近づけると燃えるため「燃える氷」と呼ばれる。燃やしたときに排出される二酸化炭素(CO2)が少ないため、次世代エネルギーとして国内外で期待されている。国内では資源エネルギー庁の外郭団体が各地の海底を調査。土佐沖での埋蔵が確認された。
高知大学などが加わる民間団体「土佐沖メタンハイドレート実用・商用化プラットフォーム研究会」は提言で、外郭団体に探査船から音波を発信して海底地層のデータを集めて砂層の構造を3次元解析し、精度の高い埋蔵量を算出するよう改めて求めた。
19年の3次元調査応募後、「外郭団体は調査実施の採否は明らかにしないと通告。以降、なしのつぶて」(同研究会)という。提言書は今後、高知県や県内市町村などに提出する。