ドイツ政府、PHV向け補助金の年内廃止を検討 EVのみに
【フランクフルト=林英樹】ドイツ政府がガソリンと電気を併用するプラグインハイブリッド車(PHV)向け補助金を2022年末で廃止する検討を始めたことが13日、わかった。独紙フランクフルター・アルゲマイネが報じた。23年以降はガソリンを使わない電気自動車(EV)のみを補助の対象にする。国策としてEVシフトを加速させる狙いがある。
電動車の販売を促進しようと、ドイツ政府は20年7月からPHVとEVを対象にした新車購入補助金を増額していた。車体価格が4万ユーロ(約550万円)未満のPHVかEVを購入した場合、企業による補助金(2250ユーロ)とは別に、国が4500ユーロを補助している。
独経済省は14日、22年末で国の補助金からPHV向けを除外する法案を提出する。EV向け補助金についても23年に4000ユーロ、24~25年は3000ユーロと段階的に削減し、26年以降は廃止する方針を盛り込む見通しだ。
20年7月の補助金増額以降、ドイツ国内で電動車の販売は大きく伸びた。独連邦自動車局(KBA)によると、ドイツ国内では21年、32万5449台のPHVが新車登録され、前年比で62%増えた。EVもほぼ同数の35万5961台で、同83%の伸びだった。
今回の法案がそのまま成立するかは不透明だが、連立政権のドイツ社会民主党(SPD)と緑の党、自由民主党(FDP)は23年以降、「実証可能な効果がある」車種に限定して補助金を支給することで合意している。
PHVについては充電せずにガソリンだけで走行している車が多いとの指摘があり、環境負荷の低減につながっていないとの批判が上がっていた。