ガソリン車販売2035年までに禁止、欧州議会が支持
【ブリュッセル=竹内康雄】欧州議会は8日の本会議で、2030年までに欧州連合(EU)域内の温暖化ガスを1990年比で55%減らす目標の実現に向けた複数の関連法案を採決した。2035年までにガソリン車など内燃機関車の新車販売を事実上禁止する法案を賛成多数で可決した。
採決は欧州議会の立場を決めるもので、法律として成立するには今後加盟国からなる理事会と合意する必要がある。
内燃機関車の販売を禁止する法案は、欧州委が21年7月に提案した。一部の自動車メーカーが100%禁止とするのではなく、90%とするようロビー活動を繰り広げていたが、議会での採決は賛成339、反対249、棄権24と賛成が上回った。中間目標も定め、乗用車について30年までに二酸化炭素(CO2)の排出を21年比で55%減らすよう求めることも確認した。
このほか、排出量取引制度を国際航空部門に広げることや森林のCO2吸収を強化するための法案も可決した。
一方で、緩い環境規制のもとでつくられた製品に事実上の関税を課す国境炭素調整措置(国境炭素税)や、自動車や暖房の燃料に排出量取引制度を拡大する法案については、議会内の意見集約が不十分との理由で、環境委員会で再度審議することを決めた。
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