NATO前総長、ウクライナ和平へ領土割譲の可能性に言及
【ベルリン=時事】北大西洋条約機構(NATO)前事務総長のストルテンベルグ氏は1日付のドイツメディア「テーブル・ブリーフィングス」とのインタビューで、ウクライナがロシアに占領された領土を一時的に割譲することは、早期の和平実現に向けた選択肢になるとの見方を示した。その場合、NATO加盟などウクライナの将来の安全を保証することが前提になると説明した。
ストルテンベルグ氏は「停戦ラインが、ロシアが全ての占領地を引き続き支配することを意味したとしても、永久にその領土を放棄しなければならないわけではない」と述べた。また、ウクライナの安全を保証する方法について、NATO加盟以外にも、軍事的な支援などを通じてロシアに対する抑止効果を発揮できる「他の可能性」があると語った。
ストルテンベルグ氏は10月に退任するまで、10年間NATO事務総長を務め、米欧のウクライナ支援をけん引してきた。来年2月、外交・国防に関する国際会議「ミュンヘン安全保障会議」の議長に就任する。
ウクライナのゼレンスキー大統領は先月、英メディアとのインタビューで、ウクライナが支配する領土を「NATOの傘の下」に置けば、停戦に合意する可能性を示唆した。米国のトランプ次期政権は早期の戦争終結を目指し、和平交渉に重点を置くとみられている。
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