ガスプロム、ウクライナ経由の天然ガス輸出停止を発表
ロシアの国営ガス企業ガスプロムは1日、ウクライナ経由での欧州への天然ガス輸出を停止したと発表した。ウクライナは侵略を続けるロシアの資源事業に打撃を与える狙いで、2024年末で終了した契約の更新を拒否する方針を決めていた。
ガスプロムは1日に通信アプリで「ウクライナが(契約の)延長を繰り返し拒否した」と同日からガス輸出を停止した理由を説明した。
ウクライナの基幹パイプラインを利用して欧州にロシア産天然ガスを輸送する契約は、ガスプロムとウクライナのナフトガスなどが19年12月末に5年契約を締結した。
22年2月のロシアによるウクライナ侵略の開始後、欧州連合(EU)はロシアの天然ガスへの依存度を引き下げている。
ただスロバキアやハンガリーなどは輸入を続けていた。ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアの収益源であるガスの輸出に打撃を与える考えを示し、輸送契約を延長しない方針を示していた。
ロシアは今後、黒海を通ってトルコに至るパイプライン、トルコストリームを通じて欧州に天然ガス輸出を続ける方針。スロバキアなどは代替調達や備蓄といった対応を進めている。今後需給が逼迫する状況になれば、欧州のガス価格に上昇圧力がかかる可能性がある。
2022年2月、ロシアがウクライナに侵略しました。戦況や世界各国の動きなど、関連する最新ニュースと解説をまとめました。
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