ビットコイン一時3万ドル割れ 中国の規制強化で
【ニューヨーク=後藤達也】暗号資産(仮想通貨)のビットコインが22日、一時3万ドルを割り込んだ。中国で取引などの規制強化が相次ぎ、価格上昇への期待が急速にしぼんでいる。4月に付けた史上最高値からは5割以上下落しており、含み損が膨らんだ個人投資家からの投げ売りも強まっている。
コインデスクによると、米東部時間22日午前10時(日本時間午後11時)時点のビットコイン価格は2万9200ドル程度で、24時間前と比べ10%以上下落した。3万ドルを下回るのは1月28日以来、約5カ月ぶりだ。イーサリアムやリップルなど他の主な仮想通貨も軒並み下げた。
中国人民銀行(中央銀行)は21日、銀行などに仮想通貨の取引に関連するサービスを提供しないよう指導した。中国当局はここ数カ月で取引やマイニング(採掘)の規制を相次いで打ち出している。米国でも採掘にかかる膨大なエネルギーや投機的な値動きに警戒を示す当局者が増加。2020年秋から急速に強まった投機熱が冷めてきた。
ビットコインは値動きの軽さから、個人投資家の投機的な売買も急増していた。だが最近は1日で10%以上値下がりすることも頻発しており、投資余力のなくなった個人が投げ売りする動きも広がっている。
仮想通貨関連企業のギャラクシー・デジタル・ホールディングスのマイケル・ノボグラッツ最高経営責任者(CEO)は22日、米CNBCに出演し、ビットコインには「大きな下振れ余地がある」と述べた。
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