NYダウ4日続伸、390ドル高 ハイテク株がけん引

【ニューヨーク=佐藤璃子】24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比390ドル(1%)高の4万3297ドルで終えた。クリスマスの前日で午後1時までの短縮取引となり新たな材料も少ない中、引き続き主力テック株への買いが進んだことが全体をけん引した。
テック株の上昇を受けて、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が前日比1%高の2万0031、機関投資家が運用で参照するS&P500種株価指数も1%高の6040とともに続伸した。
市場関係者からは「機関投資家が大型テック株を大量に買い込んでいるところに、新規の投資マネーもどんどん流入し、相場が押し上げられた」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声が上がった。
ダウ平均の構成銘柄ではアマゾンが2%高、アップルやマイクロソフトが1%高となった。ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェース、アメリカン・エキスプレスもそれぞれ2%高と、金融銘柄にも買いが広がった。前日は売られたウォルマートも3%高と上昇が目立った。
一方でベライゾン・コミュニケーションズとユナイテッドヘルス・グループの2銘柄がそれぞれ小幅に下落した。
クリスマスを控えて市場参加者が少なかったこともあり、値動きが大きく、方向感が定まらない時間帯もあった。24日朝の米債券市場で長期金利は一時4.62%と、7カ月ぶりの高水準を付け、ダウ平均は一時小幅に下げた。
ダウ平均は前週までの3週間で2000ドルあまり下落していた。米連邦準備理事会(FRB)は18日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決めたが、政策金利見通しでは2025年の利下げ回数が2回と、前回9月予想の4回から半減となった。
利下げに慎重な姿勢が鮮明となり、ダウ平均は金利高止まりへの警戒から50年ぶりとなる10日続落を記録した。マリー氏は「大幅続落から4日連続で回復し続けていることは投資家の自信につながっている」と指摘する。
ただ、高金利環境が引き続き市場の懸念材料になっているとの見方は多い。米ネット証券大手、チャールズ・シュワブのリズ・アン・ソンダーズ氏は「(FRBによる見通し変更を受け)足元では高金利環境でも悪影響を受けにくい大型株へ資金が戻ってきている」と語った。
- 【関連記事】サンタがウォール街にやってきた