欧州市場の主要指標11時半 欧州株、上値重い 銀行に売り
【NQNロンドン=蔭山道子】22日午前の欧州株式市場で主要な株式相場は上値が重い。同日発表されたユーロ圏の企業景況感を示す指標が総じて弱い内容だった。前日比で高く始まったドイツ株価指数(DAX)とフランスのCAC40は伸び悩み、英国時間11時半時点ではともに前日比で下げに転じている。
スペインのサンタンデール銀行や英バークレイズなど銀行株が軒並み下げている。仏トタルエナジーズといったエネルギー、自動車関連で売りが優勢だ。半面、外国為替市場でユーロや英ポンドが対ドルで下落し、通貨安が業績の追い風となる銘柄の支えとなっている。製薬の英アストラゼネカなどヘルスケアや日用品、飲食料品の関連銘柄に買いが入っている。
CAC40は前日比0.4%ほど、DAXは同0.1%ほど下げている。英FTSE100種総合株価指数は同0.6%ほど上げているほか、欧州主要600社の株価指数であるストックス600は同0.3%ほど高い水準で推移している。
ロンドン外国為替市場ではユーロと英ポンドが対ドルで下落。22日発表の11月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)速報値で総合指数が市場予想を下回る水準へ悪化した。ドイツの長期金利低下とともにユーロ売りが膨らみ、ユーロは対ドルで一時1ユーロ=1.03ドル台前半と2022年11月以来2年ぶりの安値を付けた。
英国時間11時半時点では1ユーロ=1.0420〜30ドルと、前日の同16時時点に比べ0.0090ドルのユーロ安・ドル高で推移している。英ポンドは対ドルで1ポンド=1.2520〜30ドルと、同0.0090ドルのポンド安・ドル高水準。22日発表された10月の英小売売上高と11月の英PMI速報値がいずれも市場予想より弱く、ポンド売り・ドル買いを促した。
ロンドン原油市場(ICEフューチャーズ)で北海ブレント先物相場は1バレル74ドル付近へ小幅に下落した。ロンドンの金現物価格は1トロイオンス2700ドル前後に上げている。非鉄金属は、国際指標となるロンドン金属取引所(LME)の銅3カ月先物とアルミニウム3カ月先物が下落する一方で、ニッケル3カ月先物は上昇している。