NY円相場、続落 1ドル=158円30〜40銭 米物価の上昇圧力強まるとの見方
【NQNニューヨーク=川上純平】8日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日続落し、前日比25銭の円安・ドル高の1ドル=158円30〜40銭で取引を終えた。次期米政権による関税の強化により、米国のインフレ圧力が高まるとの見方が円の重荷となった。
米CNNは8日、20日に米大統領に就任するトランプ氏が早期に幅広い関税を導入することを念頭に「緊急事態宣言の発令を検討している」と報じた。関税が米国のインフレ圧力を高めれば米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが減速するとの見方が広がり、円売り・ドル買いが出た。日米の金利差が開いた状態が続くとの観測が強まった。
FRBが8日に公表した2024年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によれば、ほとんど全ての参加者が次期政権の貿易政策が変化する可能性を踏まえて「インフレの見通しが上振れするリスクが高まった」と判断した。これもFRBの利下げ観測の後退につながり、円相場の重荷となった。
円の安値は158円51銭、高値は158円14銭だった。
円は対ユーロで小幅に反落し、前日比5銭の円安・ユーロ高の1ユーロ=163円35〜45銭で取引を終えた。
ユーロは対ドルで続落し、前日比0.0020ドルのユーロ安・ドル高の1ユーロ=1.0315〜25ドルで取引を終えた。FRBの利下げペースが鈍化するとの見方を背景にユーロ売り・ドル買いが出た。
ユーロの安値は1.0281ドル、高値は1.0324ドルだった。