石川の中小企業、価格転嫁4割どまり 消費への影響懸念
石川県中小企業団体中央会は、原材料高騰による価格転嫁の状況に関する調査を実施した。価格転嫁を実施できていると回答した企業は全体の43.6%にとどまった。コスト上昇分のうち8割〜10割を価格に転嫁できたと答えた企業は合計で54.2%だった。
石川県中小企業団体中央会に所属する一部の製造業・非製造業計58団体を対象に、10月下旬〜11月上旬にアンケートを実施した。うち55団体から回答を得た。
コスト増を「価格転嫁できている」と回答した企業は製造業で46.4%、非製造業で40.7%だった。製造業では転嫁できた理由として「取引先との交渉」「同業者が少ない」を挙げた企業が多かった。
一方で「価格転嫁できていない」との回答もそれぞれ25%、25.9%に上った。値上げが消費に与える影響や、光熱費や輸送コストを価格に転嫁する難しさを指摘する声もあった。
コスト上昇分を価格転嫁した割合については「8割以上」と回答した企業が全体の41.7%と最も多く、「5割以上8割未満」「2割以上5割未満」がそれぞれ20.8%で続いた。「10割」と答えた企業は12.5%だった。