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東日本で原発ゼロ解消 東北電力、女川2号機を再稼働

(更新)
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東北電力の女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)2号機が29日に再稼働した。2012年5月に北海道電力の泊原発3号機が停止して以来続いていた東日本での「原発ゼロ」が解消した。東京電力福島第1原発と同型の原子炉としては事故後初の稼働となった。

午後7時に核分裂反応を抑える制御棒を引き抜き、原子炉を起動させた。核分裂反応が安定して続く臨界への到達を経て、11月7日にも発電と送電を始める。原子力規制委員会による確認後の12月25日にも営業運転を開始する予定だ。冬場の電力の安定供給に生かす。

女川原発2号機は11年の東日本大震災後、13基目の再稼働となった。これまでに運転を再開した原発は西日本に立地する関西電力四国電力九州電力の計12基だった。被災地に立地する原発としては女川原発2号機が初めて原子炉を起動させた。

震災後に先行して再稼働した西日本の原発は全て加圧水型軽水炉(PWR)だった。女川原発2号機は沸騰水型軽水炉(BWR)で、事故を起こした福島第1原発と同型炉だ。タービンを回して発電するのに使う蒸気が発生する仕組みが違う。

女川原発の安全対策工事は13年5月に始まった。防潮堤は想定される高さ23.1メートルの津波への対応として海抜29メートルにまでかさ上げした。原子炉の冷却水として7日間対応できる1万立方メートル程度の貯水槽なども備えた。

東北電は13年12月に安全審査を規制委に申請し、20年2月に合格した。福島第1原発と同型炉として審査は慎重になされた。同年11月に地元が再稼働に同意したが、BWR固有の設備への耐震補強や火災防護対策などの工事に時間を要した。一連の工事は24年5月に終えた。

国は電力の安定供給と脱炭素の両立から、エネルギー基本計画では30年度時点で原子力の電源構成割合を20〜22%に高める目標を掲げる。22年度の原発の比率は5.5%にとどまる。

東日本で原発の再稼働が進むかどうかは見通せない。東京電力柏崎刈羽原発7号機は規制委の審査に合格済みだが、地元同意を得られるめどはついていない。

震災後、東日本で初の再稼働となった女川原発2号機だが課題もある。使用済み核燃料の保管能力は逼迫している。原子炉建屋内の燃料プールで冷却保管しているが、2号機の貯蔵率は現状で8割近くにまで達している。4年程度で満杯になる想定だ。

東北電は発電所敷地内に、空気で冷やし使用済み燃料を一時保管する「乾式貯蔵施設」を設置して保管能力を拡大する計画だ。28年3月の運用開始を目指しており、10年以上は貯蔵可能としている。

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