イオン純利益9割減の13億円 3~5月、総合スーパー事業赤字
イオンが4日発表した2014年3~5月期連結決算は、純利益が13億円と前年同期比9割減った。消費増税で一時的に節約志向が強まる中、魅力ある低価格品などを十分に打ち出せなかったことなどで集客力が鈍り、総合スーパー(GMS)事業が赤字になった。クレジットカードなど総合金融事業は好調だったが補えなかった。
売上高に当たる営業収益は1兆7130億円と17%増えた。ショッピングセンターの新規出店やダイエーの連結で収益規模が拡大した。
ただ、営業利益は224億円と35%減った。GMSの中核、イオンリテールは既存店客数が3%強減り、衣料品・食品とも苦戦した。増税で消費者の商品選別が厳しくなる中、専門店やコンビニエンスストアとの競争で劣勢に立たされた。ダイエーも衣料品が不振だった。改装投資などの費用増をまかなえず、GMS事業の営業損益は38億円の赤字(前年同期は35億円の黒字)に転落した。
イオンの森美樹副社長は「低価格化やポイント販促が中途半端で、安さのメッセージが伝わらなかったと反省している」と述べた。
4日から主要約100品目を大幅値下げした。増税や電力料金の上昇などで「日用品や食品を安いものに切り替えたいとの需要が強い」(岡田元也社長)とみている。15年2月期通期の予想純利益は前期比5%増の480億円を据え置いており、今後の巻き返しで計画達成に全力を挙げる。
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