米マクドナルドCEO「だまされた」 期限切れ鶏肉問題
【ニューヨーク=杉本貴司】米マクドナルドのドン・トンプソン最高経営責任者(CEO)は22日、中国の食肉加工会社「上海福喜食品」が期限切れの鶏肉やカビが生えた牛肉をマクドナルドに供給していた問題について「少し、だまされた」と述べた。「問題があった工場からはもう調達していない」とし、「他にもいくつか工場で中国当局が調査しており、これに協力する」と表明した。
トンプソン氏は「当社は調達先の会社は監査している」と述べた上で、上海福喜がこの監査に対してなんらかの不正を行った可能性があることを示唆した。22日に発表した4~6月期決算の電話会見で明らかにした。
同問題は上海の放送局の暴露で発覚した。日本マクドナルドが一部店舗で「チキンマックナゲット」の販売休止に追い込まれた。
一方で、米マクドナルドが発表した4~6月期の純利益は、前年同期比1%減の13億8710万ドル(約1400億円)となった。売上高も1%増の71億8170万ドルと横ばい。米国と日本の低迷が業績の重荷となった。
米国の既存店売上高は前年同期と比べ1.5%減った。米小売店では1、2月の歴史的な寒波の反動で春先から売り上げが伸びたケースが多いが、マクドナルドは「来店者数が減少した」。巻き返しに向け朝食メニューの見直しなどに着手する考えを示した。
アジア太平洋中東アフリカ地域の既存店売上高は1.1%増となり、米国、欧州と並ぶ主要3地域の中で唯一増えた。ただ、「引き続き日本が弱いことが響いた」としており、低迷する日本の立て直しが急務であることを強調した。